縄奥のブログ

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<<   作成日時 : 2018/06/30 11:22   >>

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◆◆◆◆◆10話




 ファンシーショーツにブラジャーを身に着け挙句の果てにはパンストまで履いた俺は、

最早誰が見ても変質者だろうか。


 この会社の中なら常識でも一歩外へ出れば、俺は確実に変質者の仲間入りだろうし

スラックスに映る後姿はビキニの下着で誤魔化せるが、パンティーストッキングは流石に

クルブシの辺りを見られれば一目瞭然。


 だが、俺は一流のバイブマンを目指すと心に誓った以上は、例えそれが男性用とキャッチ

されただけの物でも、俺は上司の命に従い行動するまでだ。


 とは言え、実に窮屈でしかもスボンがスルスルっと内側で滑る感触が気持ち悪く

フリルをふんだんに使ったファンシーショーツの所為で、ムレムレと言った感じもして来た。


 こんなものを毎日身に着けて働くのかと思うと、正直なところいくら憂鬱な気分にもなるし

「全く! 俺を何だと思ってんだ!!」 と、一人憤慨する俺。


 モニター商品の袋入れも一通り終わり時計を見れば就業時間の少し手前、

俺は歩き辛さを我慢して小部屋を出ると、係長に終ったことを告げるため広間に向かった。


 係長が真剣な眼差しでノートパソコンに見入っていて近付きがたい雰囲気もあったが、

俺は、任務の終了を伝えるに敢えて彼女の机の真ん前に向かった。

「係長! 終りました! それと…」 と、係長に話しかける俺。


 どうやら係長はモニターに夢中で俺の存在に気がつかないようで、仕方なく俺は係長の

真横に移動して、係長の肩をチョコンッと左手で突いた。

「キャァー!」 物凄い驚きで悲鳴を上げた係長。


 係長の悲鳴に驚いて後退りしてヨロケた俺だったが、周囲の社員達は一斉に係長を見て

何事かと言う目をしていた。


 すかさず大丈夫ですかと声かけた俺だったが、係長のパソコンモニターに映っていたのは

紛れもない、ホモサイトの恥ずかしくなるような男のオナニーシーンだった。


 俺に見られたことが係長には相当にショックだったらしく、見る見る間に係長の顔は

青くなっていき、シドロモドロな何かを俺に語りかけていた。


 どうせ、仕事絡みで男の身体を見ていたんだろう程度に思っていたのに、彼女は今までに

見せたこともないような表情をして、俺に何かを語りかけていた。

「私はね! こんなものに興味が! みんなが働いてるのに! 偶然よ! 偶然!」


 何故に大慌てするのだ係長と俺は内心思っていたが、それには触れず袋詰め終了を報告し

彼女の机から離れ自分のデスクへと向かった。


 椅子に座って、パンストの初期報告書を書こうと壁掛け時計を見れば就業時間になっていて

報告書を書いてる時間がないことに気付いた。


 俺の所属するドリームでは残業は禁止されていたから、報告書は明日にしてと片付けをと

立ち上がると机の横に係長が立っていた。


 すると係長が…

「さっきは、ビックリさせてゴメンなさいね! あんなサイト見てたもんだから罪の意識

 あったりしてさ! ホントにあれは仕事だから…」 と、係長。


 最初は俺の目を見ていた係長も次第に俯き加減になり声もボソボソに変化した。

「えぇー 解ってますよ! 男の身体を見ないと研究出来ませんからね」 と、語った俺。


 すると、突然係長は数回手を叩いてピョンと一回跳ねた後に、満面の笑みを浮かべたものの

何でそんなに嬉しいのか俺には理解出来なかった。


 そんな係長が初めて俺を酒に誘ったが、素直に喜べない俺の内心は早く帰宅してパンストを

脱いで楽になりたいと一心だった。


 そんな俺でも、やはり美人の上、俺の教育係りでもある彼女の誘いを断る勇気はなく

俺は、そのまま彼女に連れられて繁華街へと入っていった。


 彼女が連れて行ってくれたのは焼き鳥屋で社内でも評判の店だった。

店に入ると、店内の至るところに天狗の面があって、良く見ると天狗の鼻にはバイブが

付け替えられていた。


 彼女に聞くと、ここのオーナーは元々が俺の勤める会社の課長だった人で

今では統合されてしまったが、面白グッズを専門に扱う開発6課と言う場所だと知らされた。


 開発6課の主力商品は天狗の面についた取り外し可能なバイブでヒット商品になって

社長賞をうけたほどらしかったが、今のようにドリームとかと言う名称もなく1課から12課

編成で構成された組織は、その後経営難に陥り何度かの統合を繰り返し6課は無くなった。


 カウンターの中で威勢よく振舞う店主の姿に、想像ではあるが当時の開発6課の課長を

重ね合わせてみると、パワー溢れる課長だったと感じた俺だった。


 小上がりには名前がついていて、奥の方から1課、入り口付近は12課となっていて

何故か6課は使用不可と入っていた。


 入り口からカウター側の壁にズラリと並んだ真っ赤な顔の天狗に、色とりどりのバイブの鼻

ギラリと店内に睨みを効かせている目玉は、良く見れば初期型のローターだった。

「係長! どうして6課は使用不可なんですか?」 と、彼女似聞いた俺。


 突然…

「ヘイ! お待ち!!」 と、店主に頼んだ鳥串と豚串に手羽先の盛り合わせを出した。


 まずは乾杯しよっか! と、微笑む係長に…

「○○さんの新しい彼ですかい!? あっははははは♪」 と、カウンターの中の店主。


 すると…

「ヤーダー♪ オジサンたらあー♪ キャッハハハハ♪」 と、大きく笑う係長。


 何故だろう彼女の笑みを見て一瞬ドキッとした俺は…

「そうですよ! 俺は係長の新しい彼ですよ♪」 と、店主に嘘吹いた。


 俺の言葉に固まった彼女は…

「ちょっとぉ〜 冗談やめてよねぇー!」 と、顔を俯かせて上目使いで俺を見た係長。


 ふくれた彼女の顔を見た瞬間…

「ドッキーーーーーンッ!!」 と、心臓が突然高鳴った、俺。


 同時に店主が…

「おっ! 恋の予感ですかい! 係長さん! いいねぇ〜♪ 若いってのは♪」 と、笑む。


 何故か、その後から彼女は口数が激減し俺は、マズいことを言ったと反省してしまい

二人は無言でムシャムシャ、グビグヒと空腹を満たすだけになってしまった。

「ねぇ… ○○君! 私ねぇ… ホントは○○君のこと…」 と、彼女が淑やかに囁いた。


 その瞬間だった!

「あれー? ○○じゃねーーーーー?!」 と、店内に響き渡るほど大きな声で俺を呼ぶ人。


 一瞬聞き覚えのある声に、反応して後を振り返ると、そこに立っていたのは学生時代の

親しい友人たち、そう、俺の社会進出に誰よりも喜んでくれた連中だった。


 俺は、上司である彼女を紹介し彼女にも紹介すると、流石は社会人経験の長い連中は

気を利かせて別の小上がりへと移動していった。


 楽しげに奥の小上がりで盛り上がる奴らのことを、目の前の店主に聞くと、結構まえから

常連らしく、今日も店に来るからと事前にアポが入っていたとか。


 フッと、思い出したように隣の席を見れば、彼女は疲れていたのか眠っていた…

「係長! 係長!」 と、何度か声を掛けた俺。


 俺は係長を自宅に送り届けようと、目の前の店主に彼女の住所を聞くと店主は…

「しょうがねえなぁ〜! 全くこのバカは!」 と、突然彼女の頭をパシパシ叩いた店主。


 カウンターに項垂れる係長の頭をパシパシ叩く店主に俺は…

「おじさん! 何てことすんだよ! 係長だぞ!」 と、カウンターの店主を見上げた俺。


 すると…

「全く! 部下連れて来て寝る奴があるか!」 と、言いながらカウンターから出た店主。


 店主は係長の両脇に手を入れると、係長を抱き起こして立たせると引き摺るように

奥のトイレの方へ連れて行った。


 俺は店主の行動に不審を抱いて…

「おじさん! いくらなんでも!」 と、喰って掛かった。


 すると、彼女を抱き起こしたままで店主は…

「すんませんねぇ〜 バカな娘が心配かけちまって…」 と、俺に何度も頭を下げて謝った。


 彼女はそのまま、トイレの横のドアから中に連れていかれ、戻った店主にきけば

奥の小部屋で寝かせてきたとのこと。


 ここは係長の父親が経営している焼き鳥屋だったことを初めて知らされ酔いも冷めた俺は

一気に飲み直し、店主の焼いた焼き鳥に舌堤を打っていた。

「おー! 娘さんにフラレたかー!」 と、奥から俺のところに大声かけてきた友人たち。


「お前ら知ってたのか!?」 と、友人達を椅子に座って見上げる俺。


「アタボーよおー! 俺らも何度かアタックしたけど全滅だったよーだ♪ うっへへへ♪」

 と、俺の側で両手を上げて踊る仕草をする友人たち。


 友人達と一緒にカウターで飲みなおして後、俺は友人たちに昔よく行ったサウナに誘われた

酔っていた所為もあってすっかり忘れていたのだった。


 アレを…


 勘定を済ませて4人でタクシーに乗って、学生時代から足を運んだ街外れの古びたサウナは

以前と少しも変わっておらず、俺達を学生時代へとワープさせてくれた。


 カウンターの親父さんも相変わらずのチョビヒゲが整えられ、俺達の顔もちゃんと覚え

店に入るなり懐かしそうにカウンターから手を振ってくれた。


 金を先払いして脱衣場に入った時、後から声を掛けてくれた看板娘の○○ちゃんもいまや

すっかり、二人のお母さんで少し太ったようだった。


 懐かしげに語り合った後で、俺達4人は脱衣場の椅子に座り昔のように服を脱ぎ始めた

看板娘の話しをしながら、何気なく背広を脱いだ時だった。


 突然、横並びに座っていたうちの両側の奴の動きが止まった…

ネクタイを外して、ワイシャツのボタンを半分まで外した時、3人の友人達が俺の後に

無言で立ちつくしていた。

「おいおい! なんだよー♪」 と、後の奴らの顔を斜め下から見上げた俺。


 一人が俺から少し離れ…

「お前! そう言う趣味あったっけー?」 と、意味不明なことを俺に伝える親友。


 俺は後の方にいる3人を無視するようにワイシャツを脱いだ瞬間…

「うわあぁー!」 と、一瞬後に飛び跳ねた親友達。


 意味不明な叫び声を同時に上げて、飛び跳ねた後の3人に構わず立ち上がってズボンを

脱いだ瞬間だった。

「うわあぁぁぁーーーーーーーーーーー!!」 と、後の三人は俺から逃げるように離れた。


 なんだー? お前らー? と逃げ出した三人を一人ずつ見ると、何やら友人達は俺を

指差してガタガタと振りえて怯えていた。


 俺が気付くのに時間は必要なかった…

3人が指差した瞬間、俺は自分の身体を見下ろしたのだ。


 俺は必死になって脱衣場で、風呂場でサウナでと無実を3人に訴えたが、爆笑するだけで

3人は俺の話しを聞いてくれないばかりか、俺から逃げる始末でホトホト困り果てていると

みんなが俺に少しずつ寄ってきた。

「信じてやるよ! お前は変質者じゃーないからな!」 と、親友達。


 タップリと汗を掻いたから休憩室でも行くかと、脱衣場に行って替えの下着をロッカーの

バックから取り出した俺は、自分の衣料籠の前で再びファンシーショーツを着用。


 当然のことながら、親友たちは噴出しそうになるのを必死に堪え、俺を取り囲んで見ていた

はずだったが、汗でショーツが張り付いて上手く履けずにモタモタして立ち上がると

見知らぬ男達が数人、俺を取り囲んで俺の下半身を見入っていた。


 顔から血の気が引く思いがするほど恥ずかしかったが、更に俺に追い討ちをかけたのは、

俺を取り囲む数人の男達は全員、俺に向けるように竿をビンビンに撓らせ息もハァハァと荒く

今にも飛びかかってきそうな雰囲気だったことだろうか。


 俺の噂は別の親友たちにも伝えられ、暫くの間は携帯が鳴りっぱなしだった。

しかし、乳首の周囲を円を描き重ねられたフリルは親友達にはどんな風に映っていたのだろう

真ん中の一物を両側から守るように重なったフリルは、親友達の脳裏に何を伝えたのだろう。


 ファンシーショーツの上から下半身にフィットしていたパンストは、親友達に俺の何を

語ったのだろうか。


 俺は数日間、泣いて暮らしたことを親友達も会社の連中も誰も知らない。





◆◆◆◆◆11話




 特殊開発部…

俺は女課長に連れられてやって来たのは聞き覚えの無い部署で、本社屋の地下3階にあって、

重役達が部屋を連ねる最上階に近い場所のエレベーターからしか行けない、厳重に守られた

この部署に何故か俺は、女課長と一緒に入ることとなった。


 本来は課長でも入ることの出来ないこの部署に行くために、特別に開発部長からパスを借り

エレベータのロックを解除し、地下3階へと降りて来たものの、複数の警備員達がアチコチに

大勢いて、出会う度に開発部長のパスを提示して廊下を歩く。


 廊下には各部屋の入り口の横に必ず配置されている警備員とドアロックキーの設備があって

ここの警備員達の大半が元警察官や自衛官で構成されている厳重な体制に驚いている。


 行き交う人たちは殆ど面識も無く、もっともここに配属された人達は一階の重役専用の

エレベーターを使うトップシークレット扱いだからだろうが、何処と無く俺たち一般社員とは

目付きが違うように思えた。


 課長によれば、ここに配属された人達は全員が次長か部長扱いだとか…

正直、俺の心臓はエレベーターに乗ったころから爆発しそうなほどで少し震えもある。


 女課長と二人で縦連なりで一番奥へ来た時、突き当たって3つのドアがあってドアの横に

3人の警備員が目を光らせて立っていた。


 一階に居る警備員とは見るからに違っていたのは、体格と言うか筋肉質ポイ太い腕と胴体

見るからに戦争経験者ではないかと思うほどの、頑丈な身体をしていた。


 女課長が一番左のドアの前に立った…

「ドリーム課長、○○です! 開発部長のパスを借りて訪問しました!」 と、パスを出す。


 警備員は課長からパスを受け取るとドアの横のセンサーにパスを当てるとカチッとドアが

開いたものの、直ぐには通して貰えず、警備員が課長に認識番号と問いかけた。


 課長が、認識番号の8桁を言うと電話で警備員が何処かへ伝えドアの上の回転灯が青い光を

放ちながらクルクルと回った。


 警備員がドアを開けると課長と俺は立て並びで中へと入った。

中は左右に伸びる長い廊下で左端も右端も見えないほど遠く、俺を唖然とさせた。


 課長が左側へヒールの音を廊下に響かせながら進む…

コツコツコツとヒールの音だけが、幾度も反響し合いながら俺の耳に飛び込んでくる。


 廊下も壁も天井も真っ白で、その白さを増長させるように天井の白熱灯が光り輝いていて

眩しい光の中にいるような錯覚を覚えたものの、ドアには番号も識別するものも無かった。


 10メートル間隔で立ち並ぶドアの向う側からは何の気配も感じられず、静まり返っている

どれほどのドアを通過しただろうか、廊下は更に続いているが課長が立ち止まった。


 襟元を直す課長につられて、俺もネクタイを調えると課長は深呼吸してからドアノブに

手をかけて静かにドアを押し開けた。


 中に入ると向う側に数メートルの奥行きがあって、左右に降りるための手摺の付いた階段が

十数段取り付けられていて、ドアの場所から2メートル位、下がったところに床があった。


 緊張しながら、階段を左がへと降りて行くと、更に左右に何箇所ものドアが一定間隔で

立ち並び、そこのドアにも番号や区別するものは何も付いてはいなかった。


 真ん中辺のドアを課長が開け後に続くと、ようやく職場の雰囲気が漂い社員達が机に向かい

椅子に座って何かをしていた。


 全員ではないが、俺から見えた人達は顔に透明プラスチックのような立体マスクをして

ある人は黒系のゴーグルをし、ある人は顕微鏡を覗いていたが全員が白衣を着用していた。


 課長と俺がドアから入った数メートルの場所にいると…

「いやぁ♪ いらっしゃい♪」と、満面の笑みを浮かべた白衣の男が近付いて来た。


 課長は深く一礼すると、俺も慌てて後に続いて深々と一礼をすませ顔を上げるると、

近付いて来た男は課長を下の名前でちゃん付けして、親しそうに呼んで話していた。

「○○くん! こちらは、特殊開発部の部長で○○さんよ♪ 御挨拶して♪」 と、課長。


 俺が自己紹介をすると…

「ほほおー♪ 君があの有名なバイブマンか♪」 と、俺に親しげに見詰めた部長。


 部長が右腕を振ると、俺の後から白衣に身を纏った20代中頃の女性が来て俺に一礼し、

俺も振り返って深々と彼女似一礼をした。

「バイブマンでしょ♪ 噂のっ♪」 と、ニコッと微笑んだ彼女。


 彼女と会釈しているうちに、部長と課長は何処かへ行ったようで、少しうろたえたものの

髪を後に縛った白衣姿の彼女は後に続けどばかりに歩き始めた。


 俺たち一般と違い、彼女達はトップシークレット待遇、会釈はあったものの自己紹介もなく

名前すら教えては貰っていないことに釈然としない俺だった。


 彼女が足を止めた一室のドアの前、彼女に続いてドアから入った瞬間だった…

「ウグッ! ウグググッ!」 鼻を衝くうな刺激臭が俺を襲った。


 俺の方を振り向いた彼女が…

「ちょっと臭いでしょうけど、人体には影響は無いから安心して♪」と、微笑んだ彼女。


 中には実験用のビーカーやフラスコに、かき混ぜ棒があって、どう見ても実験室の装いが

俺の目に入って来た。


 無数にある、実験用の頑丈そうな机の上に無造作に置かれた器具や顕微鏡が俺に、

ここは本当に会社なのかと言う疑問を投げ掛けて来るように思えた。


 白衣の彼女が、俺に手招きした場所へ移動すると何本かあるハンディサイズのスプレー缶を

椅子に座った時様態で、手に取って見せてくれた。


 スプレー缶には何も書かれてはおらず、中身が何なのかはまったく解らない状況で…

「ねぇ♪ バイブマン♪」 と、俺を呼んだ彼女。


 俺が彼女の顔を見ると、彼女は突然スプレー缶を一本選んでから、白いガーゼに軽く噴霧し

それを俺に嗅いで見てと言わんばかりに、しずかに差し出した。


 俺が彼女の誘導に乗って嗅いで見ると…

「オエェーーー!! ウェップ!!」 と、鼻の奥に入った刺激臭に嘔吐しそうになった俺。


「なっ! なんすかこれ!!」 と、驚いて大声で彼女似聞く俺。


 俺は否応無く次々にスプレー缶の匂いを嗅がされ、具合が悪くなった頃だった…

「バイブマン君! この匂い嗅いだこと無いかなぁ〜♪」 と、照れて頬を紅くする彼女。


「もしも、バイブマン君が童貞でないなら、或いは知ってる匂いかもね〜♪ まぁ〜

 中には童貞ではないけど知らないって人もいるんだろうけど〜♪」

 と、椅子に背を凭れながら、気分の悪い俺に問いかけた彼女。


 皆目見当も付かないと言う顔を見せる俺に…

「ここではねぇ〜♪」 と、ちょっと照れて可愛い表情を見せた彼女。


 俺は、彼女の口からとんでもない事実を聞かされ、ショックを受けてしまった。

特殊開発部は10代から60代までの、平均的な女性の陰部の匂いを再現してスプレー缶に

することで、昔から同業者が開発して販売している、女性の人形の陰部にシュッとスプレー

そして、性行為に及ぶための匂いと味について研究していると言う。


 ただ、日本では人形とは言え女性の陰部を再現して販売することは法律で禁じられている、

であるから、せめて陰部の匂いと味を再現することで、使用者がより堪能出来るのだと言う

彼女の顔は、恥ずかしさも覗えるものの、目は輝いて真剣そのものであった。


 女性型の人形は、形から大きさや材質まで様々だが、陰部に匂いと味を銜えることで

よりいっそう美味しく召し上がれる薬味の開発こそが、自分のテーマだと語った彼女。


 彼女が担当している、匂いスプレーは匂いと味を同時に噴霧できるまで開発が進み

残された課題が、缶の中で上手く混ざらないと言う点らしかった。


 開発当初は、匂い用と、味用に2種類の区別があったものの、適量の目安をユーザーが

何処までしっているかが大きな課題になったらしい。


 確かに、匂いはこのくらいで、味はと言う時に、本物を知らない人なら濃い匂いに薄味に

仕上げてしまうこともあるだろうと、俺も内心思った。


 そして、彼女と話しているうちに、彼女が別のスプレー缶をニヤニヤしながら俺に見せ、

それを軽く振ってから、シュッとガーゼに噴霧した瞬間だった!

未だ嗅いでもいないうちから、漂った匂いに俺は立ち眩みを覚えてフラフラしてしまった。


 彼女の話しでは、完熟スプレーと言って、60代の女性が24時間で一週間、風呂なしで

過ごした時の平均的な匂いだと聞かされ、俺のフラフラしながに回る天井を見詰め床に、

倒れてしまった。


 恐るべし完熟スプレーなのだが、彼女の勧めで挑戦したのが10代から40代までの完熟と

10代から40代までの、別のスプレー缶だったが、最初に完熟だった所為か効果が今一、

10代、20代、30代、40代、50代、60代の完熟に対して、彼女が差し出したのが

サッパリ風味缶と言う数時間タイプも殆ど無臭だったが、風呂上りサッパリ風味タイプは

完全に無臭で、12時間風呂なしの標準風味タイプが結構、鼻を突く異臭ではあった。


 この世には作れない物など無いと言うことを改めて感じた俺だったが、もしかして

あの匂いの基準は、彼女だったのかも知れないと、急に恥ずかしくなった俺だった。


 あの20代の完熟は絶対に、彼女を元にデータを取ったのだと思った…

なにせ、この会社の連中は自分がモニターだからな! 外注なんて絶対に有り得ない。


 鼻に完熟60代の匂いがしみこんで、何度洗っても落ちないこの匂いを、俺はサリンと

勝手に名付け、二度と嗅ぐことのないようにと天井を見て祈った。


 ボンヤリしていると課長が俺の方へ来て…

「ハイ♪ ○○君に下の彼女からプレゼントだそうよ♪」 と、紙袋を俺に手渡した課長。


 課長が、俺の側を離れると急いで袋の中身を確認すると、中から小さなスプレー缶が1本

あるのが解って、手に取ってみるとスプレー缶に1回分、ヒ・ミ・ツと記されていた。


 俺は複雑な心境のまま自宅に持ち帰り、モンモンとした気分でも顔に向けて噴霧して見た。

結果、俺は一晩中、眠れないどころか嘔吐が止まらず夜を明かした。


 ベットの下に転がるスプレー缶の缶底に書かれていた四文字…

完熟60と小さくかかれた文字が、俺の目を大きくさせた。


 彼女がくれたのを、勝手に彼女の匂いだと勘違いした俺だった…

缶だけに勘違い! 実にクダラナイ落ちだったが俺の顔は数日間、60代完熟のままだった。


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